「11月上旬にあった小学校の運動会の徒競走で順位を数えていなかった。何の配慮なんでしょうか」。広島市西区の小学校に子どもが通う30代主婦から編集局にこんな声が寄せられた。調べてみると、この学校以外にも市内の複数の小学校で同様の措置が取られていた。その意味や児童の受け止め、保護者の反応を探った。 この小学校では学年ごとに徒競走を実施。いずれも順位を付けず、ゴール付近に順位を示す旗も立てていなかった。校長は「新型コロナウイルス対応の一環。人員を確保するのが難しかったため」と理由を説明。順位ごとの案内係を取りやめるなど他者との接触機会を減らし、午前中で運動会のプログラムを終えるよう工夫したそうだ。校長によると今回の運動会は「子どもの頑張りを見てもらう『発表会』の意味合いが強かった」という。 広島市内の市立小は計141校あるが、少なくとも1割を超える15校が順位付けをしていなかった。東区の小学校で