戦争や紛争で軍隊が戦えば必ず犠牲が生じる。これは自衛隊であっても例外ではない。 ところが、自衛隊は「戦時には死傷者がつきもの」ということを本気では想定していない。死傷者を前提としていないために、戦死者や戦傷者を減らす、あるいは被害を最小化するという意識が極めて低い。大量の死傷者は「想定外」としているのだ。 これは軍隊、特に米軍や英軍のように実戦を多く経験している軍隊とは異なる点だ。実戦となれば、恐らく自衛隊は衛生軽視のために米軍や他の軍隊の何倍、あるいは一桁も二桁も多い戦死者を出す可能性が極めて大きい。自衛隊の有事の衛生(医療)体制は軍隊として、欠落している面が多いためだ。 多くの読者は「まさか、そんなはずはない」と疑っているのではないだろうか。だが、本稿を読めばこれは決して大げさな話ではないことがご理解できるはずだ。 支給品は包帯2本だけだった 戦死者、戦傷者が出ることを意識していないと