どの世界にも「主」と呼ばれる、下手をすると化け物に近い評価をされるものが有るところで御座います。 まあ大概が場を仕切る、その場の親分扱いと言う事で御座いまして、何事もこの人の顔色を卑屈に伺うと言う事で折り合いの付くところで御座います。 今のところ太平洋の主が第七艦隊ならば中国の主が習さん、ロシアの主はプーさんと、収まりのついているところで、おうちの主は山の神、会社の主は社長さん、波止場の主は「さすらいの忠兵衛」という事になるので御座います。 この主といいますのは時として変わって参るものでして、トランプだかスランプだかの、新参者も現れるのですから周囲にはよほど注意を払わねば成らぬところです。主もおちおちと胡坐ばかり搔いている訳には参りません。中には占い師の後ろ盾がある主もあるのですから、余程主と言うのも様々あることです。 いつの頃からか皆のはっきりした記憶は無いところだが、釣り師を運ぶ渡船場