アニメやゲームの人気キャラクターが車体に大きく描かれた「痛車(いたしゃ)」ブームが盛り上がりを見せている。日本のポップカルチャーが海外で人気を集める「クールジャパン」の追い風も受け、外国人観光客も注目。自動車の販売戦略に活用する企業も出てきた。県内の愛好家たちが集う横浜・大黒埠頭(ふとう)で、「痛車の世界」をのぞいてみた。 18日夕の首都高湾岸線大黒パーキングエリア。派手なイラストで覆われた痛車約30台が続々とやってきた。パーキングにいる人の注目が一斉に集まり、外国人観光客が歓声をあげて車の横で記念撮影を始めた。 「おっす、はんそで」「おーい、マギさん」。笑顔であいさつを交わす運転手たちは、痛車のイベント会場やソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で知り合った「痛車乗り」仲間だ。お互いを「ハンドルネーム」で呼び合うのがルールという。長年の付き合いでも本名を互いに知らない者もいる。