世界最大の温室効果ガス排出国・中国が新たに示した温室効果ガスの削減目標が世界の注目を集めている。2030年ごろに排出量を頭打ちとするという内容で、一見従来の消極姿勢からすれば大きな前進に見える。だが、これは言い換えれば、向こう16年にわたって排出を増やし続けると宣言したのに等しい。そのうえ、あくまで途上国として振る舞いも変わらない。地球温暖化対策の新たな国際枠組みについて話し合った今月のペルーでの第20回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP20)でも、欧米や日本といった先進国にだけ温暖化対策支援のための出資を求める姿勢は崩さなかった。優等生の仮面の裏には、恐るべきしたたかさが隠されているようだ。 「途上国」なのに主導権獲得? 「2020年以降の新たな温暖化対策の枠組み作りでは、先進国が主導的な役割を果たすべきだ」 COP20の閣僚級会合が始まった今月9日、演説した中国の解振華・国家発展