「ヒトラーの気持ち、理解できる」 隣にいたキルスティン・ダンストは思わず「やべぇよ、おっさん、それやべえ(超訳)」と困惑。 にもかかわらずトリアーはつっかえながら「OK、ぼくはナチだ」とまで言ってしまう。 この一件で、監督は、カンヌ映画祭から追放される。 とはいえ、カンヌは、作品の出品資格を奪うような馬鹿なマネはしなかった。主演女優のキルスティン・ダンストが女優賞を受賞。 第46回全米映画批評家協会(NSFC)賞では、作品賞と主演女優賞の2冠。第24回ヨーロッパ映画賞でも、最終週作品賞、撮影賞、美術賞の3部門受賞である。 『メランコリア』は、トリアー監督のうつの体験がきっかけで作られた。 新郎新婦が乗った長いリムジンが山道のカーブで曲がりきれず四苦八苦しているシーンからはじまる。 前半は、最高に幸せな日となるであろう結婚パーティー当日。なのだが、キルスティン・ダンスト演じる新婦は、どんどん