いつか来るその時まで、ちゃんと日々を生きること。 決して終わりではない、"さようなら"についての物語。 家族や友人という身近な人、そして自分もいつかは迎える"死"という別れ。突然であっても、あらかじめ知らされていたとしても、それは悲しい出来事。もし自分の命の終わりが見えたとき、人は何をするだろう? 何かを残す?別れの言葉?大切にしていた物?もし自分に子どもがいたら、何を伝えるだろう?それとも何も残さない?そして、"その時"をどうやって迎えるだろう?しかし、悲しみや絶望の一方で"その日"までの日々には、きっと笑顔も喜びもあるはず。 『マルタのことづけ』は、太陽の国メキシコを舞台に、ある女性の人生を変えた偶然の出会いと、永遠の別れまでを描く珠玉の作品だ。不治の病にかかり、消えゆく自らの命に反して、日々を生きることに前向きなシングルマザーのマルタ。その姿が、マルタと偶然に出会い、ひょんなことから