設計も生産も手戻りは悪。ウオーターフォール型で一気通貫が理想と言われている。確かにYes。しかし,No。どうも日本人は極端に振れる。それでは戦略性は出てこない。 19世紀。職人の時代。優秀な職人は何度も手直しをした。油絵は手直しには最適な画材である。ゴッホは素晴らしい絵を何作も生み出した。実は,近くで見ても素晴らしさは見えない。少し離れて見ると,絵具のタッチと色が混然と溶け合い別な世界が見える。もちろん,プロは近付いてタッチや色合いを凝視している。 ゴッホ様でもキャンバスの前に立たなければ絵は描けない。しかし,出来栄えの確認には,離れて見なければならない。たぶん,ゴッホは近寄ったり離れたりを繰り返して名作を完成させていったのだろう。彼の芸術性は手戻りにある。 大量生産の20世紀。上流から下流まで一気通貫が旗頭。生産から,設計,全て手戻りなしが理想。手戻りは悪.一気通貫は気持ちが良いが,その