(18日、広島3―2阪神) 広島は26年ぶりとなる地元での歓喜を逃して、甲子園に乗り込んできた。「1試合でも早く決めたい」。緒方監督の気負いは選手に伝わっていた。四回まで毎回、先頭打者が出塁するも、自慢の打線は2点しか奪えない。七回には2番手の一岡で追いつかれ、「勝利の方程式」が崩れた。 3試合連続で先発起用されたバティスタは、そんな重苦しい雰囲気もどこ吹く風。同点の八回1死一、二塁で、初球を果敢に振っていった。外角への149キロ速球を、三遊間に力強くはじき返した。「緊張はなかった。優勝が決まる決勝打、気持ちいいね。日本に来て良かった」。一塁塁上では軽く手をたたいた。 野球を一度、あきらめた身だから強い。5年間、大リーグのマイナーでプレーしたが芽が出ず、母国ドミニカ共和国で、広島が運営する野球学校「カープアカデミー」に拾われた。長打力を買われ、昨年3月に育成選手となり、今年6月には支配下登