承前――、というような書き出しだと、何だか連載でもしているみたいな気分になるから不思議です。連載してるじゃないか、とツッコまないでください。 最近、多くの人が当たり前のように“心が折れる”という表現を用い、私にはそれがどうにも解せずに、夜も眠れないくらい考え込んでしまった。こんなに気になって夜も眠れなくなったのは、地下鉄はいったいどこから地下に入れたのかで悩んで以来だ。ごめんよ、このネタは若い人にはわからないね。 ちょっと前までは、心が折れそうになるという表現はあっても、折れる。まではいかなかった。困難に打ち負かされそうになるという意味で口にはしても、まだ負けたわけじゃなかった。 しかし、この頃では心はぽっきり折れるようになり、若い子のみならず大の大人までもが心が折れたと言ってはばからない。そんなに簡単に心って折れるものなのでしょうか――? というのが前回のお話でした。たぶん。 すると、今