文 吉野なお(Nao) 誰かの「やめた」ことに焦点を当てるシリーズ企画「わたしがやめたこと」。今回は、ファッション誌『ラ・ファーファ』専属モデルとして活動するほか、自身の摂食障害の経験についてメディアなどで発信する吉野なおさんに寄稿いただきました。 吉野さんがやめたことは、自分以外の「誰か」になろうとすること。 痩せることで「人生が良くなる」と信じ無理をした結果、摂食障害に陥ってしまった吉野さん。摂食障害に悩む中、あるできごとをきっかけにこれまで「自分」を否定し続け「誰か」になろうとしていたことに気付いたようです。「誰か」になることをやめたことで、吉野さんにはどんな変化があったのでしょうか。 *** 東京で電車内広告をぼんやり見ていると、英会話、ダイエット、脱毛、整形、婚活、転職など、向上心を刺激するような、状況改善を促すようなメッセージが多くあることに気付く。 多かれ少なかれ誰もが不安や