レファレンス 2011. 3 3 主 要 記 事 の 要 旨 夫婦及び子の氏と戸籍制度 鳥 澤 孝 之 ① 氏名は個人を特定する機能を有し、社会生活を円滑に営む上で重要なものであるが、氏 については民法上の夫婦同氏規定の見直しや子の氏の在り方が議論されることがある。氏 と戸籍の制度上の基本的な関係、夫婦及び子のそれぞれの氏の変動に関する問題等を紹介 し、これらと選択的夫婦別氏制度との関係について解説する。 ② 戸籍制度は人の親族的身分関係や日本国籍を登録・公証するもので、同一の戸籍に記載 される夫婦と子の三者間の氏は、同じものである。戸籍実務では氏を、戸籍の変動の基準 となる 「民法上の氏」 と、 氏の呼称それ自体の 「呼称上の氏」 に分けて運用がなされている。 ③ 日本人同士の男女が婚姻届をした場合には、夫と妻のいずれの氏を称するのかを選び、 その氏を称する夫又は妻を筆頭者として新たに戸