東京五輪・パラリンピックの会場となる国立競技場に観客1万人を収容した場合の新型コロナウイルス感染リスクについて、適切な感染対策を取るなどすれば、新規感染者を1人未満に抑えられることが6日、理化学研究所の飛沫(ひまつ)拡散シミュレーションで分かった。スーパーコンピューター「富岳(ふがく)」による分析で、最もリスクが高まるケースでも4・7人だった。 ただ、シミュレーションは観客席に座った状態に限ったもので、会場内での移動や、観戦前後の人流増加に伴う感染リスクについては評価していない。 シミュレーションは文部科学省の指示で実施。観客1万人の中に10人の感染者がいる想定で、1階席に4時間滞在し、全員がマスクを着用して終始前向きで会話をすると仮定した。その上で、座り方が「密に着席」と「前後左右に空席あり」、風向きが「後方から」と「前方から」の計4パターンを分析した。