環境保護団体パイザッチャス・ビウスは、スペインのピレネー山脈に広がる耕作放棄地に、近隣の草原から集めてきた種子をまき、チョウが好む野草の草原を作り出した。(PHOTOGRAPH COURTESY PAISATGES VIUS) 生物学者のコンスタンティ・ステファネスク氏は、25年前の夏から毎週、スペイン、カタルーニャの各地を歩いてチョウを数えている。2020年7月のある晴れた日、彼はフランスとの国境、ピレネー山麓の草原に足を踏み入れた。昔は、この草原に咲く野生の花々に集まるヒメシジミを50匹も60匹も数えたものだった。 この草原にチョウが多かったのは、農家が年に1、2回だけ草を刈り、その干し草を冬の間の家畜の餌にするという昔ながらのやり方で牧草地を維持していたからだ。しかし、ステファネスク氏がこの場所でチョウのモニタリングを始めてから数年後、農家は牧草地の管理をやめてしまった。やがてイバラ
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