風邪と下降気味な気分で部屋に篭っていた。そのせいで、日中はまったく気が付かなかったのだけれど、先程、台所でこんなものをみつけた。 母の仕業だ。字体から、これを作っているときの彼女のノリノリ感がビシビシ伝わってくる。「お家」からはガサガサと大きな音が。中を見ると、 小学生のアイドル、カブトムシが!確かにカブトムシは男子の夢そのものだけど、大人の男にカブトムシってどうなのかしらん。とはいえ僕は、30代の男をカブトムシで励まそうとする、母の大きな、そしてズレている愛に心を打たれた。母からみれば、僕なんていつまでたっても、夏休みに、公園や山で、半ズボンをはいて虫を追いかけている子供なのだろうな。