イーロン・マスク氏が2016年に創設したBMI(Brain Machine Interface)のスタートアップである米ニューラリンク(Neuralink)は、2019年7月17日に新開発のデバイスや今後の研究方針などを発表した。神経科学者としてBMIの研究を手掛けた経験を持つハコスコ代表取締役の藤井直敬氏は、ニューラリンクの取り組みを「極めて真っ当なアプローチ」と高く評価する。藤井氏にそのポイントを3回にわたって解説してもらう。(日経 xTECH編集部) BMIは、脳と人工デバイスを接続するための生体インターフェースである。BMIと聞くと、映画「マトリックス」などのSFを思い出す人が多いだろうが、BMIの研究そのものは実は半世紀近く前から行われている。一般の人からすると、最近になってニューラリンクが突然始めたように見える技術も、実は数十年の神経科学の研究成果の上に成り立っている。それらの