これは、「言う」という動詞の五段活用である。ここで、太字の部分は語幹であり、ピンク色で表示してある部分は活用語尾である。 特に標準語と大阪弁の活用の違うところを見てみることにしよう。 <未然形> 五段活用動詞に打ち消しの助動詞「へん」をつけるときには2通りの活用があり、「言わへん」「言えへん」のどちらを使っても良いようだ。どちらも標準語の「言わない」と同じ意味なのだが、「言えへん」の方は下一段活用をする可能動詞「言える」の打ち消し「言えへん」と表記が同じなので注意が必要である。 <連用形> ここでの標準語と大阪弁の活用の違いは、促音便の小さい「っ」がウ音便の「う」に置き換わっているところだ。 なるほど、大阪弁では「っ」が「う」になるのか、と早合点してはいけない。大阪弁にも「行った」「居った」「分かった」「持った」…など、促音便の「っ」はちゃんと存在する。というよりむしろ、「言うた」と、「っ