陰キャでオタクでいてもいなくても変わらない——— 別段特別な技術があるわけでもない、陳腐なMADムービー製作を趣味にしている一樹にのまえいつきは、 ある日、偶然が重なったことで「見るだけで強い性的興奮が伴う電子ドラッグムービー」を作成してしまう。 ——自分を見下しているアイツに見せたらどうなるだろう。 暗い欲求が樹を突き動かす。 幼馴染、春夏冬凛あきなしりんにムービーを見せることに成功したものの、樹は優等生の仮面の裏に隠した凛の秘密を知ってしまう。 『電子ドラッグを用いた巨額のビジネス』 凛から提案された“商売”の話。 パパ活斡旋、極道、半グレ—— 自分とは縁のないはずだった裏社会に、 樹は流されるままに身を投じていく。