5月19日土曜日。その日、新潟駅前で待ち合わせしていたおれは、あまりの人の多さに辟易していた。 普段はそれほどの喧噪を見せるような場所じゃない。東京かと錯覚するほどだった。飲み屋が連なる細い路地にも隙間なく人がびっしり埋まっている。 もしかしたらおれの知らない間に新潟というのは土曜の夜になると、都会にも負けない盛り上がりを見せているのだと思った。さすがは政令指定都市といった具合だ。 少しばかり遅れて関西人の友人が来る。職場で一緒だった男だ。新潟の大学に来て、そのままこっちで就職を決めた。 「なんでこんなに人がおるん?」 社会人となって、おれよりも遥かに駅前で飲んでいる回数が多いであろう関西人が目を見開きながら言った。 「知らんわ」 いつものようにつたない関西弁で揶揄するかのように返した。こいつでもこの混雑っぷりは予想外だったようだ。 関西人はスマートフォンを取り出し、手慣れた手つきでささっ