要旨 福島第一の事故は制御用の電源喪失により発生した。1号機は圧力容器とアイソレーション・コンデ ンサーを結ぶ配管の遮断弁が閉じられる設計であったため、炉心を冷却できず遮断弁閉鎖後1時間以内に燃料棒が露出しだし、その日のうちに燃料棒は自らの崩 壊 熱でメルトダウンし、圧力容器の底を突き破って格 納容器の底に流れ落ちたことが最近の内部検査でわかっている。燃料棒の被覆チューブであるジルコニウム金属と水が反応して生成した水素ガスが安全弁経由格 納容器内部に放出されて、格納容器の圧力が上リ、最終的に格納容器蓋のフランジから燃料棒交換デッキに漏れ、これが爆発して燃料棒交換デッキを吹き飛ばし た。こうして水素ガスに同伴していた放射性物質が環境に放出されたのである。2号機はタービン駆動のポンプが辛うじて動き、3号機は非常用電源によって冷 却ポンプが動いたので数日間は持ちこたえたが、格納容器内の備蓄水が沸