実は生活保護を受けながら大学や専門学校には通えない。そんな時代遅れの原則を政府が持っていることが、今秋の参院内閣委員会で明らかになった。 親の貧しさが子の貧しさを招いてしまう「貧困の世代間連鎖」を断ち切るどころの話ではない。貧困から脱出する道に政府が立ちはだかってどうするのか。 政府は速やかに運用を改善すべきだ。進学容認にとどまらず、奨学金を全面支給するなど、むしろ進学を奨励する方向へ抜本的に改めるべきだ。 かつては大学どころか高校への進学すら認めない時期もあったが、1970年度からは認めるようになった。背景には進学率の変化がある。53年度まで5割を割り込んでいた高校進学率は高度成長期に急上昇し、70年度には8割、74年度には9割を超えた。運用改善はその傾向を反映した。 今、大学・短大の進学率は54・6%、専門学校は16・6%(15年度学校基本調査速報値)、計71%余に達する。「高卒で就職