違う人たちとデザインを語る デザイン批評は、とても難しいですが、目を背けることもできない課題です。前回のセミナーで、批評のときに使う言葉遣いを紹介したものの、フォーカスをズラさず会話を進めるのは至難の業です。デザイナーだけが集まる場や、長く仕事をしている間柄であれば感覚で伝わることがありますが、そうでない場面はたくさんあります。結局のところ、デザインは主観的なところが多いわけですから、様々な背景の人たちが集まる仕事場でデザインの意見が分かれるのは当然なのかもしれません。 さらに批評を複雑にしているのが、手を動かしているデザイナーだけにデザインを任せるのは困難というところがあります。IDEOの Time Brown 氏が TED の講演で「デザインはデザイナーだけに任せるには重要すぎる」という言葉を残しています。今のデザインは利用者だけでなく、ビジネス、市場、文化、技術への理解が不可欠です。