「権利許諾の観点からは明らかに問題があると思われますので、今後雑協デジタル委員会としてはサービス閉鎖の申し入れを行うとともに、状況の説明を求めるべくコミュニケーションを取っていきたいと思っております」。10月7日、日本雑誌協会(雑協)デジタルコンテンツ推進委員会委員長の大久保徹也氏から同委員会のメンバーにメールが一斉に飛んだ。 利用者が購入した雑誌のデジタル化代行を建前に、著作権者や出版社の許可を取らずに無断で雑誌をスキャンし、そのデジタルデータの販売に踏み切ったエニグモ運営の「コルシカ」に対する雑協の反応は早かった。コルシカ開始から2日後の10月9日、大手出版社が加盟する雑協はエニグモと協議し、雑協会員出版社分の販売中止を決定。その後、加盟していない出版社からも個別の取り下げ要求が続き、最終的には全誌が取り止めとなりサービスは休止状態に追い込まれた。 裏方の取次はミシマ社発行の『謎の会社