私達は幸せだった。 地方都市の経済規模が小さなクラブに、地元出身の英雄がいたのだから。千葉直樹は、ブランメルのJFL2シーズン目から、いつもそこにいた。いつもそこににいるから、気がつかないのだが、地元出身の英雄が当たり前のように常にクラブを支える存在でいてくれる事は、私達にとって信じ難い幸運な偶然だったのだ。 幾多の名場面が思い起こされる。その中で、私はたった1つの試合が忘れられない。つい最近、昨期の盛夏の試合だ。J1昇格を争いつつも、チームが底の状態だった時の愛媛戦。チーム全体が疲労に沈み、冴えない試合を続けていた折に決めた鮮やかな先制のヘディングシュート。あの一番苦しい時期での、千葉の一撃でベガルタは生き返った。 もちろんそれ以外にも、千葉は幾多の見事なプレイでクラブを支え続けて来たのは言うまでもない。今期にしても中盤戦までは完全なレギュラとして、シーズン半ばからは終盤アンカーとして試
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