「大阪城に何人の本籍があるかご存じですか。800人もいるんですよ」 大阪城を一望できる大阪市中央区の学校施設で8月27日に開かれたトーク形式のイベントで、大阪市の平松邦夫市長が、こんな話題を持ち出した。 この2日前、同市で生きていれば120歳以上となる高齢者が戸籍上、5125人も残ったままだったことが判明。幕末の「安政の大獄」の前年にあたる安政4(1857)年に誕生した152歳の男性もいた。 この問題にも平松市長の受け止めは冷静だった。 「行政の怠慢だけで済まされる問題ではない。本籍をどこに置いても構わないことが問題だ」と戸籍制度の欠陥を指摘した。 戸籍法には本籍を置く場所について明確な条文がない。このため皇居がある「東京都千代田区千代田1−1」や富士山頂、東京ディズニーランドに本籍を置く人がいる。法務省は「地番のない川や湖を除けば、どこにでも本籍を置ける」と解釈している。 一方、戸籍制度