愛知県立考古学センターは20日、県内の白亜紀の地層から衣状の外骨格を持つエビの仲間「フライエビ」の全身化石が見つかったと発表した。これまで頭部や尾はドイツなどで断片的に見つかっていたが、完全な形での発掘は世界で初めて。今後謎が多いフライエビの生態を知る上で貴重な資料になりそうだ。 2016年、愛知県名古屋市内の喫茶店にエビフライのような化石標本が置かれていることに気付いた地元の古生物学ファンが、センターに鑑定を依頼していた。 店主によると02年ごろ、エビフライによく似た模様の岩石を店舗裏の地層で見つけたが、生物の化石だとは知らずに飾っていたという。常連客も長年名古屋のジョークグッズだと思って見ていたが、その後の鑑定で白亜紀中期(約1億年前)に生息したフライエビの全身化石であることが判明した。 フライエビは外骨格がフライの衣状に進化したエビの一種で、これまでも部分化石はドイツや中国など数カ国