日本の伝統的な葬式である「土葬・野辺送り」が姿を消したのは、昭和の終わり頃とされている。入れ替わるように火葬が増え、現在、日本の火葬普及率は99・9%以上に達する。 土葬は、日本の風土から完全に消滅してしまったのだろうか。筆者は「土葬・野辺送り」の聞き書き調査を20年以上独自に続け、平成、令和になっても、ある地域に土葬が集中して残っていることを突き止めた。それは大和朝廷のあった奈良盆地の東側、茶畑が美しい山間にある。剣豪、柳生十兵衛ゆかりの柳生の里を含む、複数の集落にまたがるエリアだ。 日本人の精神生活を豊かにしてきた千年の弔い文化を、まだ奇跡的に残る土葬の村の「古老の証言」を手がかりに、明らかにしたい。
![奈良に「土葬の村」発見! なぜ、今も、村人は土葬を選ぶのか?(高橋 繁行)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/1bc74119f122478b0404535ddd3f1c21f7b4fef3/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fgendai-m.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F0%2Ff%2F1200m%2Fimg_0fa1b64e488acde3937195f8a8165a7f149868.jpg)