「そんなのおかしいだろ! 今すぐそれをやめさせてください。このイベントが人種差別を許すのであれば、そんな場所にはいたくもない。俺はライブをやらないで今すぐ帰るから。もしメンバーが残ると言っても俺は帰るから」 俺は激しい怒りと、とてつもなく哀しい気持ちでいっぱいになっていた。何かの拍子に涙があふれてもおかしくないほど、怒りと哀しみに渦巻かれていた。 「差別」という言葉は当然に理解していたし、それに関する文献も読んでいた。人並みに「差別」をわかっているつもりになっていた。しかし日本人として日本に生まれ育った俺には「差別」を受けるという実体験がなかった。「差別を受ける」ことで人がどれだけ傷つくか、本当はまったくわかっていなかった。 あらゆるスタッフのみなさんに対し、俺がここまで強硬な態度を見せたのは後にも先にもこのときだけだったと思う。それくらいショッキングなことだったし、主催側に抗議する俺をマ
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