---------- 日本に「天皇」はいつから存在するのでしょうか? このような素朴な問いは、古代日本社会において専制的な王権がいかにして成立したのかという問題へとつながるものです。 複数の王統による競合から、唯一の系統が大王の地位を独占するに至るプロセスを描き出した『倭国 古代国家への道』の著者・古市晃氏が、「万世一系」といわれる天皇のルーツを探ります。 ---------- 【写真】知られざる天皇家の「闇」をあぶり出した、ある女官の手記 「天皇」のルーツはどこまで遡るのか 天皇がいつから存在したのか、という問いは、おそらく多くの場合、たんに天皇の称号がいつ生まれたのかという問いにとどまらず、天皇につながる支配者がいつから存在するのかという問いにつながっているものと思われる。 天皇号の成立は飛鳥時代、7世紀のこととされるが、それが7世紀の前半に遡るのか、それとも後半にまで下るのかについて