思春期の入り口の小学校高学年――自分がイヤだ、早く大人になりたいと思う気持ちは誰にでもありそうなもの。そこに15年後の未来から「大人になった自分自身」が恐怖の存在となって侵略に来るという、『エスカフローネ』の赤根監督ならではのSF的な構図が面白い。見どころは北海道・函館市の緻密に描かれた風景と動きまくるキャラクターの人物描写。有名な函館山展望台からの夜景や外国人墓地、地方色豊かな生活風景のリアリティあふれる中で、自由自在に動くカメラワークが侵略の恐怖を盛りあげる。制作のサテライト得意のCGもふんだんに使用されて、未来からの侵略者たちのさまざまなガジェットを魅力的に見せる。先のまったく読めない謎とサスペンスにあふれた作品だ。【アニメ評論家・氷川竜介】 ■メインスタッフ 原作: 赤根和樹/サテライト 監督: 赤根和樹 副監督: 安田賢司 シリーズ構成: 赤根和樹/大野木寛 脚本: 赤