iPadがiOS 4.2にアップデートし、「マルチタスキング」に対応した。マルチタスクとは少々異なるこの機構、デスクトップOSではもはや常識の「マルチタスク」や、アプリの迅速な切り替えを意味する「FastAppSwitch」との兼ね合いもあり、誤解を招きやすい部分がある。ここでは、マルチタスクと比べてどう違うか、iOS 4ではなぜこのような機構を採用したかを含め、マルチタスキングのしくみを解説したい。 「マルチタスク」と「マルチタスキング」の違い Mac OS XやWindowsなどのモダンなOSでは、必ずと言っていいほど「マルチタスク」がサポートされている。マルチタスクとは、1台のコンピュータで複数の処理を並行して行う機構のことで、複数のアプリケーション(タスク)を同時に起動しておき要求されたタイミングで切り替える、という使い方を可能にする。 その中心的な役割を果たすのが、OSの核となる