夏の高校野球秋田県大会は24日、秋田市のこまちスタジアムで決勝戦が行われ、3連覇を狙う能代商と第2シード秋田商が対戦、秋田商が最終回の大逆転劇でサヨナラ勝ちして、7年ぶり16度目の甲子園出場を決めた。 ◇ 「血が止まらない」。秋田商3年の近藤卓也投手は、前日の準決勝でバントを失敗した際、右手人さし指の腹にできた血豆が破れた。痛みは無いが、どうしても出血が止まらない。しかし、「痛くても投げろ」と太田直監督は前日、エースに先発を託した。「行きます」。投げる気は十分だった。 初回から、にじむ血で球が滑る。ユニホームもところどころ、血で染まる。「変化球も直球も、自分の思うところに行かない」。しきりにロージンを付けながら投球を続ける。 しかし四回、突如、二者連続で四死球を与える。無死一、二塁。マウンドを阿部勇星投手(3年)に譲った。頼もしい相棒だが、「いつもピンチの場面で交代して申し訳ない。今度は守