結成16年以上の漫才師に“セカンドチャンス”を――。そんな意図で設立された新たなお笑いコンテスト「THE SECOND~漫才トーナメント~」の選考会が2月に終了し、全133組の出場者から次のステージに進む32組が決まった。ふるいにかけられた101組ものベテラン漫才師のなかには、世間的な知名度が伴わなくとも爆笑をかっさらったコンビも多かった。『笑い神 M-1、その純情と狂気』の著者でノンフィクションライターの中村計氏が、選考会の様子をレポートする。 * * * 先日、ある芸人を取材していたとき、話の中に聞いたことのないコンビ名が出てきた。 「ニジノタソガレ、わかりますよね?」 「わかります」 話の腰を折りたくなかったのと、見くびられることを恐れ、反射的にそうしらばっくれた。 ただ、話の流れから、知る人ぞ知るアブナイ人たちなのだろうなということは推測できた。 一度聞いたら忘れられない響きだった