熊本県天草市の小学校で、児童の胸元をつかんだ教師の行為の是非が争われた訴訟で、最高裁判決は28日、教育的配慮があれば、教師が児童生徒に一定の「力」を行使しても、やむを得ない場合があると判断した。 文部科学省の調査では、近年、児童・生徒や教師に暴力を振るう子供たちが増えている。判決は、体罰批判を過度に恐れ、遠慮がちに子供と接している教師に、毅然(きぜん)とした対応をちゅうちょする必要はないことを示したと言える。一方、判決は、体罰に当たるかどうかを判断する指標として、行為の目的と態様、継続時間を挙げた。極めて限定的に「力の行使」を認めたもので、体罰を容認したものではない。 男児の母親は教師を刑事告訴しており、判決も「男児の母親が長期にわたり、学校関係者に対して極めて激しい抗議行動を続けた」と言及、訴訟の背景に保護者の過剰なクレームがあったことを示唆した。同じようなケースが起きた時、「力の行使」