舛添厚生労働相が突然、75歳以上を対象とした後期高齢者医療制度(長寿医療制度)の見直しを打ち出したことが、政府・与党に波紋を広げている。 事前の根回しがなかったためで、衆院選へのプラス効果を疑問視する声も少なくない。 舛添氏は20日のテレビ番組で、「国民が支持しないような制度は大胆に見直すべきだ」と述べ、新制度創設の必要性を強調した。〈1〉加入者を年齢で区分しない〈2〉現役世代と高齢者世代の保険料負担の不公平感を助長しない〈3〉年金からの保険料の天引きを強制しない――との3原則で構築するとの構想も示した。 これまで「加入者を75歳で区切るのは、医学的な意味がある」と擁護してきた舛添氏が主張を百八十度転換した形だ。19日夜には記者団に対し、自民党総裁選で選出が確実視される麻生太郎幹事長から「賛同を得た」ことも明かした。 与党は「10月14日公示―26日投開票」の日程で衆院選準備を急いでいる。