どこまでも僕 青みがかかった珈琲の空き瓶を貯金箱にしている。月末になると消費モンスターから生き残っていた100円玉を何枚かそこへ入れる。空き瓶はいつまでも空き瓶なので、硬貨を入れるたびにちゃりんと綺麗な音が鳴る。それが近くで叫んでいるツクツクボウシの声と相まってなんともいえない気分にさせる。蓋を閉めると硬貨は瞬間、インテリアになる。僕はいつまでも僕のままだった。 授業のたびに前回の復習をみっちりやる数学教師は嫌いだ。その範囲はすでに知っていることだし、お気に入りのアニメが総集編だったときと似たような気分にさせるからだ。ドラゴンボールZかスラムダンクでも可。かの教師は何度も何度も黒板におなじ文面を書いていく。 「君は君なんだよ、彼女は彼女さ。そして僕は……僕は……僕なんだ」 当たり前だ、何をもったいぶっているんだ。どんなスケールを持ってこようが、我々は我々のサイズでしかなりえない。ログやデー