最高のツアー・ファイナル――であろうことはライブ前から期待していたし予想もした上で臨んだのだが、驚愕どころか戦慄レベルでその期待値をあっさりと飛び越える壮大なエンターテインメントが、折しも首都圏を台風4号が直撃しつつあった6月19日・Zepp Tokyoでは確かに展開されていた。「自分の想いを伝える」とか「楽曲の世界観を伝える」とかというパーソナルな側面を持つ表現としてのロックが/音楽が同時に、そのまま無上のエンターテインメントであることを体現してきたのが、特に『kikUUiki』『DocumentaLy』でのサカナクションだったーーというのは今さら書くまでもないが、昨年幕張メッセでのワンマン・ライブで巨大な熱狂空間を生み出すことに成功した5人が、2012年の今この場所で描き出す音世界は、もっとエネルギッシュで、爽快で、なおかつ強靭な底力を感じさせるものだった。 昨年6月にも札幌・名古屋・