清原和博が陥っている苦境は、彼が人生を通して、他者との関係に失敗し続けていたことにある。 マッチョ的なコミュニケーションは、失敗こそが成功なのである。 日本人にはマッチョというよりジャイアンと言った方がわかりやすいだろうが、ああいう具合に、他人をねじ伏せて嫌な思いをさせれば勝利なのである。 清原がトラブルメーカー体質なのも、喧嘩に持ち込めば勝てるからである。 普通であれば、トラブルを起こすのは失敗であり、リスクが増大しているだけなのだが、喧嘩で勝てるとなれば、若いうちはそれでいいわけである。 だが、30を過ぎれば、大男に威圧されても恐くなくなるので、成人しても喧嘩売ってるような人間はろくな事にならない。 相手に不愉快な思いをさせて屈服させたら、それはマイナスではなくプラス得点なのである。 つまり強者として権力関係を構成してしまえば、それはそれで「成功」なのである。 これがマッチョ(ジャイア