花王の生活者研究センターは、「エスノグラフィー」と呼ばれる手法を用いて消費者の理解を深める活動に取り組んでいる。まず2007年秋から2008年3月まで半年間かけて観察やインタビューなどを実施。同年夏から事業部門や経営陣へ報告を行って調査結果の共有を進めてきた。調査目的は「アンチエイジング(抗加齢)に関する消費者の考え方や行動理由を理解すること」。マーケティングや商品開発などにはこれから生かされる見込みだ。 エスノグラフィーとは、社会学や文化人類学における、インタビューや観察によるフィールドワークと調査記録をまとめた文書のこと。あえて事前に仮説を立てずに、定性調査を重ねて豊富な情報から仮説を見つけ出すのが特徴。従来型の消費者調査が仮説検証型とすれば、エスノグラフィーは仮説発見型といえる。データベースやアンケート、グループインタビューなどに比べて、より深く消費者の本音やこだわりに迫ることができ
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