「広島1‐2阪神」(30日、マツダ) 今季限りでの引退を表明している阪神・金本知憲外野手(44)が、自らの故郷で古巣でもある広島とのラストゲームに「5番・左翼」でスタメン出場。四回に中前打を放ち、先制のホームを踏んだ。マツダスタジアムには赤ヘル時代のファンも詰めかけ、最後の勇姿を見つめた。チームは広島戦の勝ち越しを決めた。 試合後ベンチを飛び出すと、両手を上げて声援に応えた。三塁側、次に一塁側へと体を向けると、最後は深々とグラウンドに一礼。球場全体から「カネモトコール」が湧き起こった。広島で11年、阪神で10年の現役生活。「ありがとう」‐。大声援の中で金本は、愛する球場に別れを告げた。 「もう市民球場ではないんですけど。いい思い出は連続無併殺記録とトリプルスリー。苦しかったのは94年、95年、96年に優勝できなかったこと。それがいい方と、悪い方の思い出であります」 郷愁の思いに浸り