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ブックマーク / dain.cocolog-nifty.com (5)

  • 40超えたら突き刺さる『タタール人の砂漠』

    ある種の読書がシミュレーションなら、これは人生の、それも自分の人生の「手遅れ感」の予行演習になる。若い人こそ読んで欲しいが、分からないかも。歳経るごとにダメージ増、over 40 からスゴ。 この感覚は、カフカの『掟の門』。かけがえのない人生が過ぎ去って、貴重な時が自分の手からこぼれ去った、あの「取り返しのつかない」感覚に呑み込まれる。 大事なことは、これから始まる。だからずっと待っていた。ここに来たのは間違いだから、気になれば、出て行ける。けれど少し様子を見ていた。習慣のもたらす麻痺が、責任感の強さという虚栄が、自分を飼いならし、日常に囚われ、もう離れることができない―――気づいたらもう、人生の終わり。 カフカの再来と称されたブッツァーティは、『神を見た犬』でも示すとおり、寓意性の高い幻想譚を描く。物語の面白さにうっかり釣り込まれると、極めて当たり前の、普遍とも言えるメッセージを突付

    40超えたら突き刺さる『タタール人の砂漠』
  • 今すぐ使える『明日からつかえるシンプル統計学』

    まちがえるな、統計学は道具だ。統計は学ぶものではなく、使うもの。 これはわたし自身への戒言。だから、使い方を誤らない程度に理解していればいいし、そのために教科書をイチから読み込む必要も、Rをマスターする必要もない。もちろん様々な武器(統計手法)が使えるに越したことはないが、次のような問題と向き合っているなら、書をオススメする。 あと500人お客を呼び込むためには、いくら広告費が必要か? カスタードケーキがチョコパイに勝つには、「味の改良」と「販促キャンペーン強化」のどちらが有効か? クラス全体の成績が低迷している。国語と数学の両方が苦手な生徒だけ補習したほうがいいのか、全員に国語の補習をしたほうがいいのか 前任者から引き継いだデータが大量にあるが、それぞれの関係や着眼点がまとめられてない。どこから手をつければいいか? 社内のKPI(Key Performance Indicator :

    今すぐ使える『明日からつかえるシンプル統計学』
  • 「論理トレーニング101題」はスゴ本

    東大教授が新入生にオススメする100冊」に、必ず登場する名著。 書は、安直ビジネス書に群がり、カモにされているカモリーマン向けではない。週末にナナメ読んで、「なんとなく分かった気分になる」自己満足を目指していない。1問1問、エンピツとノートを準備して、101問すべてに取り組むべし。「解説書なんかいくら読んだって論理の力は鍛えられない。ただ、実技あるのみ」のとおだ。やれば、やった分だけ向上する。 大きく2部に分かれており、前半は、接続詞に注意して正確に議論を読み取り、その骨格をつかまえるトレーニング。そして後半は、演繹と推測の適切さを論証し、さらに論証を批判的にとらえる訓練をする。すべて、①練習問題→②自力で解く→③解説と答えあわせのくり返し。章末に、ちとムズめの問題が待ちかまえており、③の理解を確かめることができる。200ページたらずの薄手のなのに、中はどろり濃厚で、「飛ばして」「ナ

    「論理トレーニング101題」はスゴ本
  • 「死ぬときに後悔すること」ベスト10

    余命、数週間。不自由な体、満足に歩くこともできない。日中も寝ている時間が多くなり、頭もうまくはたらかない ──そんな人生の最終章の人に向かって、こう問いかける。 いま、後悔していることは、何ですか? 「死ぬときに後悔すること25」の著者は、終末期における緩和医療に携わる医師。現場で見聞した、「余命いくばくもない状態で、後悔すること」をまとめたのが書なのだ。得られた答えは、多様でいて一様だし、複雑なようで単純だったりする。 もうすぐ自分が死ぬと分かっている人が、何を悔いているのか。これを知ることで、わたしの人生で同じ後悔をせずにすむのだろうか。考え考え読んで、いくつかの「先立つ後悔」を得ることができた。後悔は後からしかできないものだが、これはわたしにとって「先悔」となるものを、ランキング形式でご紹介。書では25章に分かれているが、わたし流にベスト10に絞ってみた。 第10位 健康を大切に

    「死ぬときに後悔すること」ベスト10
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: いきなりコンサルタントに抜擢されたSEが読むべき5冊

    上長から「来週からコンサルタントとして○○社に入ってくれ」なんて言われたときに、あわてないための5冊。以下の条件全部にあてはまる人のための選書なので、関係ない方はスルーしてくだされ。シリーズ化しつつあるエントリ( [その1]、[その2] )だが、ここらでまとめ。 システム開発チームのメンバーまたはリーダー 顧客の御用聞きを「コンサルティング」だと思っている ←これ誤り McKinsey や accenture といった「ファーム」と一緒に、顧客の中に入って仕事しなければならなくなった これまで、即効性と実用性で4冊レビューしてきたが、このたび5冊目として扱いたいガイドを見つけた(4冊目)のでまとめてご紹介。 ■最初に結論 コンサル会社がやっている「コンサルティング」は、決まりきった手順や方法を粛々と実行しているに過ぎない。目標に対して泥臭いぐらい愚直に反応する。そうしたメソッドと沢山持って

    わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: いきなりコンサルタントに抜擢されたSEが読むべき5冊
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