「例えば,中国のIT産業の技術者にとって日本向けのビジネスは,日本語を習得するというハードルはありますが,ノウハウを身につけることができて高いお金になる仕事です。給料も違いますから,優秀な人材は日本向けの開発に携わりたい方も多いです」と,日本IBMのグローバル・ビジネス・サービス事業 マーケティング&事業企画 理事の浦川伸一氏は,日本向けビジネスが海外のIT産業にどう捉えられているかを説明する。国内市場が十分に大きく,語学という壁もあって外に目が向かなかった日本のIT産業のアプローチとは大きく異なる。 このような背景の中で日本のIT産業はどうあるべきなのか。浦川氏は「中国等の海外ベンダーによるオフショア開発は,日本語対応能力をはじめ,懇切丁寧に日本のやり方に合わせてくれたため急成長してきましたが,このやり方がグローバルにみて長続きするのか。日本のお客様の業界は多くの国に存在し,多様な市場や