『脱中国論』も残すところあと4回となった。限られた時間とページ数のなかで何を語ったらよいのか、悩みに悩んだ。筆者はテクニカルな問題を要領よく考え、分かりやすく伝えるのが苦手だし、あまり好きではない。それよりも、比較的マクロで大きな課題を、自らの体験を通じて考察し、発信していくのが好きだ。 これからの4回は、基本に立ち返って、以下の4つのテーマを、読者の皆さんと「今一度考える」作業をしたい。チャイナリスク、中国共産党との付き合い方、中国ビジネスにおける「留学」の必要性と意義、中国人との付き合い方だ。この4つは中国人と付き合う際に、中国社会を理解しようとする際に、そして中国でビジネスをする際に、おそらく死活的に重要である。最後までお付き合いいただければ幸いである。 第1回目である今回のテーマは「チャイナリスク」だ。 筆者が見るところ、私たち日本人が直面するチャイナリスクは大きく分けて3つある。