私は、プロレス者(もの)である。幼い頃からプロレスが大好きだった。学生時代は、プロレス研究会に所属し、プロレス雑誌を愛読し、アルバイトで稼いだお金で会場に通いつつ、学生プロレスのリングにも上がっていた。毎日、東スポ(東京スポーツ)を買って読んでいた。今も毎週、『ワールドプロレスリング』(テレビ朝日系)を観ている。年に数回ではあるが、会場にも足を運ぶ。今年はもう少しプロレスの生観戦を習慣化しようと思っている。 自分語りはこれくらいにして、最近気づいたことがある。それは、プロレスに関する議論で「八百長」という言葉を聞かなくなったことである。これはなぜだろうか? そして、この問題はビジネスにしろ政治にしろ、反発を生むようなことを浸透させていくプロセスの参考になるのではないだろうか。 以前はよく、こんな疑問がよく聞かれたものだ。 「なぜ、選手をロープに振ったら戻ってくるのか?」 プロレスに関して抱