「もう、何を説明されても信じられない」。JR東京駅では、平日にもかかわらず、東海道新幹線の切符売り場に名古屋や大阪などへ避難する人々の列ができた。家族全員でマスクを着け、小走りで改札口に向かう姿が目立った。 千葉県市川市の女性(31)は、長女(6)と長男(4)の手を引いて切符売り場に並んだ。16日には長女の卒園式が予定されている。「式の後まで待とうと思ったが、朝のニュースを見て待てないと思って」。茨城県つくば市の女性(36)は、午前中に車で東京都内の夫の実家へ逃げ、その足で京都の実家に向かう途中といい、「小さな子の体内に蓄積されちゃうと困るから」と、4カ月になる乳児を抱きしめた。 この日朝、職場の仲間に声をかけ、みんなで避難を決めたというのは新宿区で飲食店を営む男性(30)。「手遅れにならないうちに東京から離れたくて」。店のスタッフとその家族の20人ほどで「とにかく西へ向かう」という。 西