2021年11月に日本で初めて、更年期障害のホルモン補充療法に使用する天然型黄体ホルモン(プロゲステロン:エフメノ®)が発売されました。更年期障害は、閉経の前後5年(合計10年)の間に起こる女性ホルモン(エストロゲン)の低下症状で、日常生活に支障があるものを指します。更年期の症状は個人差が大きく、40代後半〜50代に起こる本疾患における日本での女性の離職率は少なく見積もっても20万人、経済損失は1848〜4196億円と推定されています1)。2022年4月、厚生労働省は初めて更年期障害の実態調査を開始すると発表しました。 更年期障害(特にホットフラッシュ)に対してはホルモン補充療法が1番効果の高い治療法です。ただしエストロゲンの単独投与を続けていると、子宮内膜が厚くなり子宮体癌のリスクが増加します。子宮体癌のリスクを増加させないよう、子宮を摘出していない女性にはエストロゲンに加えて黄体ホルモ