オフィスラブがタブーだった日本 かたや、「オフィスラブ大国」日本はどうだろうか。実は日本でも、第二次大戦前、職場恋愛はタブーとされていたようだ。1955年に出版された恋愛マニュアル本を読むと、「職場恋愛」の章で以下のように書かれている。 職場恋愛とか職場結婚とかいうことが話題となり、事実そういうことがザラにおこなわれるようになったのは、むろん戦後のことである。ひと昔前までは、同じ職場に働く何君が誰嬢に恋をしているというウワサが、上役の耳にでも入れば、それだけでクビの理由にされ、もしも職場で知り合った相手と結婚したければ、あらかじめ片割れのひとりが、円満に職場をしりぞくという条件で、やっとみとめられるという状態だった。 (原奎一郎『恋愛実技』コバルト新書・鱒書房) 戦前、社内恋愛がどういう理屈で禁止されていたのかは明らかでないが、「ダイバーシティ」が理由でないことは確かだ。 それにしても、「