目次 ■はじめに ■戦争 ■黒い扉 ■ハウル ■心臓を奪う理由 ■少年時代 ■マダム・サリマン ■国王 ■葉巻 ※ 批評同人サークル思想脳労さんの評論本 『宮崎駿劇場作品解説本』に載せて頂いたものです。他に『千と千尋の神隠し』、『もののけ姫』についても書かせて頂きました。 何故戦争をしているのか。何故ハウルは黒いドアから出て行くのか。何故カブは呪いをかけられていたのか。何故ヒンはサリマンに連絡を取らなかったのか。何故あっけなく戦争が終わってしまうのか。何故ソフィーの白髪は元に戻らなかったのか。etc… そして、積み上げられた「何故」には、明確な説明がなされないままに終幕を迎えるのである。 明示されている部分だけをつなぎ合わせてみても物語は出来上がる。子供たちは、追手や戦争による危機を乗り越えながら、ソフィーの頑張りによって「動く城」の住人が家族になっていく過程を楽しむだろう。そして呪いが解
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