肛門を締める力 鍛える : 医療ルネサンス : 医療 : 医療と介護 : YOMIURI ONLINE（読売新聞）朝起きると、肛門（こうもん）の周囲が失禁で湿っている。熊本県の会社員Ｂ子さん（５８）は、昨年冬から月に数回、そんな体験をした。出社前、おしりを洗うのが情けなかった。便意も長くがまんできなくなった。 一度作業を始めると、しばらく持ち場を離れられない仕事をしている。「今、便意を感じたらどうしよう」。不安から、仕事への集中力を欠くこともあった。 今年５月、熊本市の高野病院を受診した。肛門の内圧を測ると、安静時の「静止圧」は３５（単位はｃｍＨ２Ｏ）だった。自律神経の働きで、意識せずに肛門を締める内括約筋の力を示す静止圧は、女性（７０歳未満）の正常値が６８〜１２５。いつ便失禁が起きても不思議ではない状態だった。 肛門を意識的に締めた時の「随意圧」も、正常値（１３６〜３２７）を下回る１１４。この値は、意識して動かせる外括約筋の力を示し、低下すると便意をこらえるのが困難になる。 Ｂ子さんには、括約筋の損
