四月の消費税増税を控え、引っ越し業者も加盟する全日本トラック協会(東京都)が、消費者に「今春の引っ越しは三月中旬から四月上旬を避けて検討してほしい」と異例の呼び掛けをしている。増税前のさまざまな駆け込み需要のしわ寄せでトラック輸送が増加し、通常通りの引っ越しができない恐れがあるためだ。 今年は増税前に建設が相次いだ住宅やマンションへの引っ越しが、三月に予想される。このため例年、一年の引っ越しの三分の一が集中するといわれる件数が、さらに増加するとみられている。 その上、トラックを確保できない事態が予想される。通常の繁忙期には、引っ越し業者は自社のトラックだけでなく協力する運送会社のトラックを使うことが多いが、今年はそれができそうにない。消費税増税を前に、家電や家具などの駆け込み購入に伴う商品輸送が増え、運送会社の協力を例年通りには得られないと予想されるためだ。